2014/03/13
近藤美和さん
- 近藤美和さん
イラストレーター/フィニッシュデザイン科(現ビジュアルデザイン科)卒/在学中メニオ賞「優秀賞」(左記作品は書籍表紙やイベントのビジュアルに使用されている作品)
Q1 学生時代一番印象に残っている課題とその理由は何ですか?
A1 卒業制作です。このときにカラーインクで描く今の技法にたどりつきました。描きたいテーマはぼんやり見えていたのですが、それをどう表現するかで悩みました。様々な画材で描いては先生に見せてダメだしをもらってまた描く、ということを繰り返していました。半年という短期間で自分に適した画材・技法にたどりつけたのはとても幸運だったと思います。学校という集中できる環境とサポートしてくださった先生方のおかげです。
Q2 広デで学んだことで、就職してから役に立っていると実感していることを教えて下さい。
A2 技術的なことも教わりましたが、学校ではものづくりに対する姿勢を学びました。私は入学したのが20代後半だったこともあり、グラフィックデザイナーとしての就職を第一に考えていたのですが、あるとき先生から「そんな考え方をしているから、いいものがつくれないんだ」と言われ、ものづくりは自分の中に深く降りていく作業が必要であることを学び取りました。言われた時はショックでしたが、早い段階で甘さを打ち砕いてもらえたので、常に自分に「これでいいのか」と問いかけながら進めるようになったと思います。先生方の何気ない一言が折に触れて思い出され、何年も経ってからその真意を理解することもあります。
Q3 今の仕事にやりがいを感じるのはどんな時ですか?
A3 クライアントからの依頼では、制作したものが喜ばれたときにやりがいを感じます。展覧会などでは、毎回足を運んでくださるお客様と言葉をかわすとき、絵をとおして表現できる喜びを感じ、おおげさでなく生きる喜びとなります。
Q4 後輩に一言お願いします。
A4 とにかく良いものをたくさん見ることが大事だと思 います。その際に自分が何を美しい、心地良いと思うかを意識すること。俯瞰的な視点も持ちながら、自分の肌感覚も大切にしていくと、良いものがつくれるように思います。自分の内面を掘り下げる一方で、外に向かって行動していくことも 大切です。マニュアルがあってないような世界ですから、自分の行動次第でどんどんと世界を広げていけます。